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Review
Blue Guitarsが拠点を置く富山県は、国が指定している伝統的工芸品が幾つも存在し、長きにわたりその技術を受け継がれて今に至る職人の町として知られています。ゆかりのある高岡銅器、高岡漆器や、井波彫刻、越中和紙など、今の時代だからこそ美しく面白い技が堪能でき、代々受け継いでゆく職人の人柄も楽しんでいただけます。
GUITAR × KOGEI
X YEARS AFTER
「富山大学芸術文化学部を2016年に卒業した同期2名によるギターを題材にしたクリエイション。同じ学び舎にて苦楽を共にし全く違った道に進んだ2人。在学中は軽音楽部に在籍し、慣れ親しんだギターをテーマにそれぞれが培ってきた技を振るう。」
Moonshotgears / Masaki Shoji
デザイナーMasaki Shoji氏は先の説明の通り富山大学芸術文化学部で学び、様々な出会いを経て自身のセンスが磨かれてきました。彼の人生の中で一つのターニングポイントとなったのが在籍当時に始めた趣味のサバイバルゲーム。2017年よりサバゲー繋がりで出会った縫製メーカーにアルバイトとして勤務をはじめ縫製の世界へ。デザイナーのアシスタントとしてミシンを踏み、2018年1月より「Moonshotgears」としてソロで活動開始しました。サバゲ―ファンの為のグッズ製作を中心にミリタリーガジェットのデザインからプロダクト製作まで一手を自身で手掛け、コアなファンより熱烈な反響を得るのが「Moonshotgears」です。同時にギター製作の業界にも身を置いた経験を活かし今回ご紹介する一本が製作されました。
2022年 趣味で製作したショートムービーがCHILL OUT CCA 2022にてCHILL OUT賞を受賞した経歴ももちます。
今回の企画にてインタビューも掲載しています。ぜひご覧ください。
https://mpc-web.jp/gctoyama/blueguitars/2023/09/13/ichibamachi2023/
Treehopper
「Moonshotgears」にて完成した作品「Treehopper」のご紹介です。
彼が思い描く「形」を、ギタールシアーである友人と共に具現化。Shoji氏の趣向を全面に出して創造された本モデルTreehopperは、ギターデザインの枠を超えた前衛的な造形をしています。
まず目を惹くのがカッタウェイの外周を担うフォアグリップの様な部位。ウッドで構成することが多いギターに異素材の組み合わせで形作ること、ミリタリーギアも同様に時代が進むごとにウッドから金属樹脂などを組み合わせて製作される。この一連の流れもあり、このようなかたちとなりました。ボディサイドにボルトで固定されており、脱着が可能となっています。
続いてはこのピックガードとエルボーガード。ここも彼がオリジナルで設計製作しており、サウンドに対する追求とギアの美学が入れられたものとなります。良くも悪くも生鳴りに影響するピックガード。接地面を減らしつつ強度と音を両立させるために、ブッシュでのマウントとピックガード裏に特殊なスリットを入れています。サウンドに縛りを持たせず宙に浮かせて強度を保つ、彼らしい工夫と音に対するこだわりもみられます。
ピックガードの材質に合わせてピックアップマウントパーツもオリジナルで製作されます。ここの構造も面白く、今回搭載されているピックアップはP90タイプですが、ハムバッカーに無加工で交換が可能となっているマウントビス穴があけられています。レイアウト次第でHHでもSHでも可能となっています。
他ハードウェアやノブにもこだわりがあり、Goldo TLT1B Les Tremのユニットを搭載し、ミリタリーギアの様なアームパーツが彼らしいセレクト。ボリュームノブ、トーンノブとセレクターノブ、3点すべてを彼がオリジナルで製作。ノールックでのコントロールを考慮して指へ引っかかるような凸凹とした形をしています。
構成するパーツのなかで異彩を放つ6弦側のパーツ。こちらはミリタリーではお馴染みの「M-LOK compatible mount」。アサルトライフルにスコープやサイトなどをマウントさせるパーツ。
演奏といった点においては効力を発揮することはありませんが、使い方によってはレーザー照射などの演出、カメラ、エフェクターなどのマウントもできそうな。
パーツに関しましてはもう一つ隠れたこだわりがあり、ボディバックのキャビティプレートにピックを仕込める窪みが付けられています。これも彼がオリジナルで考案製作したものの一つ。いついかなる時でもピックが取り出せるように細工を施したとのこと。これも彼らしい考えから生まれたひとつの提案です。
ウッドマテリアルはトップにハードメイプル、バックとネックにアフリカンマホガニーを採用。実は世界的にも人気を集めるギタールシアーの友人の手により美しい加工がなされています。フラットトップに見えてこちらはアーチトップ。カービングと共にシースルーのマットフィニッシュで彩られたWhiteが非常に美しい仕上がりです。
ピックアップはTV Jones T-90。クラシカルな鳴りが魅力なTV Jonesピックアップですが、彼の組み上げた本器はメタル、ジェントなどのアンダーグラウンドの世界で十分活躍できるサウンド。ドロップチューニングでセッティングをしても絶妙なテンションと高い切れ味を誇り、ナチュラルサウンドが基準として存在します。
実機のサウンドとしましては、持ち味のクリーンがやはり良い。クラシカルなUSアンプへのインプットもよしハイゲインなアンプにも良しで、ある種ソリッドギターの理想的な音にすら感じられます。個人的にはドロップしてテクニカルなフレーズを奏でるのがこのギターのポイントを感じていただけるように思います。
Masaki Shojiが手掛けるMoonshotgearsの世界観をお楽しみください。
Specifications
SPEC | |
Body top | 2P Hard Maple
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Body back | 1P African Mahogany
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Neck | African Mahogany
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Nut | Bone
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Fingerboard | Ebony
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Bridge | Gotoh GE-104B, Goldo TLT1B Les Trem
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Pickups | TV Jones T-90 with Original Cover by Moonshotgears
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Controls | 1Vol, 1Tone, 3way-selector with Original Knob by Moonshotgears
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Weight | 4.095kg
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Special | Elbow Guard / M-LOK compatible mount / PA12 Nylon Pickguard / Anti-Roll Bar
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*All parts directed by Moonshotgears |